当たり前に●●しない中小企業は生き残れない!

Trustyyleは中小企業の経営者支援を事業としています。

なぜ中小企業の経営者支援をしているのか、様々な理由がありますが今回は全体像ということで、
中小企業の置かれた現状と課題について、中小企業・小規模事業者の現状と課題(平成28年10月 中小企業庁)を参考に考察を深めたいと思います。

中小企業・小規模事業者の現状と課題(平成28年10月 中小企業庁)より

中小企業の現状

●中小企業は、企業数の99.7%を占め、雇用の7割、付加価値の過半数を担うとともに、イノ ベーションの担い手として、我が国の重要な経済主体となっている。大都市以外の大半の地域で、8割以上の従業者が中小企業・小規模企業に勤務。

●中小企業は製造業、非製造業とも、労働生産性が低下。 大企業は生産性を向上させており、大企業と中小企業との生産性の差は拡大。

●中小企業では、約半数の企業がオフィスシステムや電子メールや、給与、経理業務の内 部管理業務向けには導入が進んでいるが、収益に直結する、調達、販売、受発注管理 などでは、1~2割の企業による導入に留まっている。 ①収益に直結し、導入が容易なITシステムを、②どのように導入を進められるかが課題 となっている。

●設備投資は大企業、中小企業共に伸び悩む中、中小企業では、設備の不足感が生じ ており、設備の老朽化も進んでいる。

●中小企業・小規模事業者は減少が続き、 ここ20年間で約120万者減少。最近、企業の倒産件数は減少しているが、休廃業・解散は高水準で推移。

●経営者の高齢化が進展(年齢のピークが66歳)。経営者年齢が上がることによ り、投資意欲が減退。

これらを見ると日本の大半を占める中小企業が、この先生き残れるかどうかの瀬戸際に来ていることがよくわかります。もちろんビジネスモデルを変えてこなかった、経営努力が足りていなかった、などの指摘もあるかと思います。そうした企業が淘汰されていくことは市場原理に則っているともいえます。ただ一方で「価値ある事業を行っているにも関わらず倒れていく」中小企業があることは大きな損失だと考えます。価値ある事業とは、困っているお客様を助けている事業であり、お客様から求められている事業です。お客様を助けていて、求められているにも関わらず倒れていく企業を1つでも減らし、適切な成長を遂げることは今後の日本における大きな命題だと思っています。

さて、現状の次には課題です。

中小企業の課題

●中小企業の中にも、生産性の高い稼げる企業は存在。こうした企業は、成長投資に 積極的に取り組んでいる。

●利益率では中小企業の二極化が進んでいる。 高収益企業の特徴を見ると、設備投資やIT投資を積極的に行っており、情報セキュリ ティなどのリスクへの対応も進んでいる。

●IT投資を積極的に行う中小企業の方が、売上高・売上高経常利益率の水準が高い。 海外展開を行う企業は、生産性向上や国内従業者の増加を達成している。

●経営者が交代した企業では利益率を向上させており、早期の事業承継は成長促進に繋がる。 直近3年間では、経営者が比較的若手の企業において、売上高を伸ばす傾向。

これらを見ると経営者が若手で成長投資に積極的に取り組んでおり設備投資、IT投資を積極的に行い、情報セキュリティなどのリスク対応をしており、海外展開を行っているといった企業が事業が好調なようです。

この中で私がポイントだと思ったのは若手であるということです。
これは単純に年齢が若い、ということではなく変化への積極性ではないかと思います。これまでの事業のやり方にとらわれすぎず、必要な変化については柔軟かつスピーディに受け入れて対応してく、リスクを適切に見極め必要な挑戦をする、ということが出来る企業は業績が好調になりやすく、逆に変化できず今まで通りのことをやっている企業は業績が悪化しているように思われます。

これからの中小企業に求められること

今はVUCAともいわれる大きな変化の時代です。変化への対応・挑戦を柔軟かつスピーディに行わなければあっという間に優秀な人材が去り、顧客から見放される可能性もあります。

しかし、組織や人を柔軟に変えていくことは簡単ではありません。経営者が変わろうと思い声をかけても中々変わらないのが現実です。だからこそ粘り強く取り組む必要があり、できる経営者とできない経営者に大きく分かれるのでしょう。

変化への積極性を高め、簡単ではない組織変革に粘り強く取り組むことを当たり前に続けることが、これからの中小企業に求められることではないでしょうか。

いかがでしたでしょうか。今回は中小企業の現状と課題について中小企業庁のレポートから考えを深めてみました。少しでも参考になれば幸いです。

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